それは・・・
突然(?)の出会いから始まった
木を基調とした店内の雰囲気はひたすら静かであり、何も予定が無い時間を過ごすにはこれ以上の場所は無いだろう。
うるささとか、あるいは必要以上にその存在を主張しないその店のスタッフはいわゆるメイド服がユニホームである。
決してコスプレなどではない、ウエイトレスの彼女達にとってはそれは仕事の為の制服でしかないのだ。
そして3回目にその店を訪れた時の事であった・・・
いつものように赤のグラスワインを飲み(昼から呑むのか・・・)、軽い昼食後のコーヒーを飲みながら何気なく店の中を見ていた時、それは突然私の目の中に飛び込んできた。
いつもカメラを持ち歩いているのだが、撮影禁止の店の中ではカメラを使う事が出来ない。
しかし小さいながらもその存在感を主張してやまないそれは私の脳裏に焼き付き、それをモデルにして写真を撮ってみたい、そう思わせた。
その店を出る時、頭の中にはこんな感じの画面構成でこんな感じの小道具も揃え、背景はこう、照明はこんな色で・・・
そう、既に全てが決まっていたのだ。
その出会いそのものは突然のもの、全く予期せぬものであったのだが、帰りの特急の車内で過ごした時間の間には決心していた。
帰宅して1時間も経たないうちにその全てを手に入れる為の手配は完了していた。
数日後、それは私の手の中に・・・